kmokudaiの読書日記と雑録

もともと読書日記としてはじめたので読書日記に戻します.あと,ちょっとした思いつきなど.研究っぽい話しは,https://researchmap.jp/kmokudai/研究ブログ/に書いてます

滋賀県知事選挙

滋賀県知事選挙があり,嘉田由紀子さんが当選.“つくりたいからつくる”的な理由で建設が進んでいる新幹線新駅問題.新知事は,建設を凍結する意向.
 以前も紹介したが,滋賀県のつくっている新駅建設に関するQ&Aから,抜粋すると,

Q.どうしてJR東海は負担しないのか?
A.そもそもこの新駅はJR東海にとっては必ず設置しなければならない必要性は薄く、また、ランニングコスト負担に見合う利用は見込めますが、かといって自ら建設費用を負担してまで設置するほどの収益は見込めません。

そこで,滋賀県は,JR東海が造ってくれないので,「請願」して駅を建設してもらうことにした.
滋賀県の見通しとしては,

新駅設置による経済波及効果は、人口の増加に伴う消費や生産、観光による消費等により、新駅開業10年後の単年度で、経済波及効果は約3,770億円、県・市町村税収入は約113億円と試算しています。
 さらに、新駅や住宅・オフィスなどの建設事業により、新駅開業後10年間の累計で、経済波及効果は約6,426億円、県・市町村税収入は約198億円と試算しています。
 このように新駅を設置しても、投資した額は開業後10年を待たずして回収出来ると言う極めて効率的なプロジェクト

としている.果たして本当だろうか.
東京湾アクアラインやその他もろもろの事業は,事前の試算と収益の実態がいつもかけ離れている.試算をする際の算定根拠があるはずだと思うのだが,なぜ予測ははずれ続けるのだろう.ベースになっている人文・社会科学的な根拠は何なのだろうかといつも気になってしまう.科学の存在意義の一つは,こういった社会的なコンフリクトの解消である.はずれ続ける予測がどうして出続けるのか,専門家のコメントが聞きたい.
嘉田さんの著書に関しては,KENTの独り言