魂の森を行け
生態学者宮脇昭の人生を描いた書.学者の人生も本になるのだと感心.0.75k.
先日ある人と,研究者の人生とその学問分野の成熟段階の関連性について話をした.例えば,この本の題材となっている宮脇は,日本の植生の全体像や成立システムを理解するために,その当時詳細が分かっていなかった,各地域の植生誌を記述することに莫大なエネルギーを費やす.そして完成したのが日本植生誌である.その完成後に研究者が取り組むべき課題は,それをベースにした新しい植生学の構築ではないかということ.記述,記載がベースになるフィールドサイエンスでは,次の段階に移行するのが大変困難であるが,もっと積極的に取り組むべきではないか.研究者の研究手法は,お師匠さんに多かれ少なかれ影響を受ける.それがマイナスに作用すると,縮小再生産しかされないので問題である.
- 作者: 一志治夫
- 出版社/メーカー: 集英社インターナショナル
- 発売日: 2004/02/05
- メディア: 単行本
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- 作者: 宮脇昭
- 出版社/メーカー: 至文堂
- 発売日: 1986/02
- メディア: 単行本
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