kmokudaiの読書日記と雑録

もともと読書日記としてはじめたので読書日記に戻します.あと,ちょっとした思いつきなど.研究っぽい話しは,https://researchmap.jp/kmokudai/研究ブログ/に書いてます

岩盤斜面の勾配

守屋さんの1972の報告あたりから,山地斜面は崩壊の集合とみなす考えが主流であるが,このアイデアの根尾川流域の山地斜面で起こった崩壊を考えてみても,その大半は表層崩壊である.岩盤崩壊であったにしても表面から風化が進み岩盤が緩んでいた場所であろう.すなわち現在みられる岩盤斜面の形状をなぞって(大きく変化させずに)崩壊が起こっていると考えられないか.

現在の岩盤斜面の形成は,現在のプロセスの継続というよりも,過去に斜面形成期が存在し,そのときつくられた勾配が維持されているのではないか.山地斜面でみられる勾配は,主に60°,40°,32°である.60°の斜面は,崩壊などが起こったときの剪断面で,32〜35°は安息角である.その間の40°程度の角度の斜面が実際の山地には存在する.この斜面を形成したメカニズムは何か?