kmokudaiの読書日記と雑録

もともと読書日記としてはじめたので読書日記に戻します.あと,ちょっとした思いつきなど.研究っぽい話しは,https://researchmap.jp/kmokudai/研究ブログ/に書いてます

思川巡検

池田先生,美佐子さん,柚洞,大原,真崎とともに,思川.真崎の臨地研究の結果を見せてもらう.粕尾川は上流部では,花崗岩の巨礫が河床に多く見られる.川の礫は小さい.
思川の流れる足尾山地の形成過程を考えると,平行な水系パターンができていることから,非常に長い時間をかけて隆起し,カタストロフィックな崩壊というよりも,山体を構成する岩盤の風化→溶出により山体がゆっくりと削剥されてきたと考えられる.実際現地での観察からも斜面崩壊の跡はほとんど見られない.このような場所なので,現在の水系パターンは山地の背面が形成された時期のもの,すなわち海進期の堆積物上の地形面にできた水系パターンであると考えられる.その水系パターンが崩されずに,その後ゆっくりと谷を下刻してきたと考えられる.「日本の地形」(東大出版会)もだいたい同じ意見.黒川の河床が急になるところでは花崗岩の巨礫や岩盤が現れている.

これは,谷が下刻していく過程で,それぞれの岩盤の特有の粗度に対応して河床の勾配が決まっていくため.河床の粗度の程度をあらわす指標が必要.

板前さんは,仕事のため14:00に小山から帰る.
yulanによって,カレーとコーヒーをごちそうになる.