kmokudaiの読書日記と雑録

もともと読書日記としてはじめたので読書日記に戻します.あと,ちょっとした思いつきなど.研究っぽい話しは,https://researchmap.jp/kmokudai/研究ブログ/に書いてます

北海道の環境と地学

北海道は,日本列島の中で南西諸島とならび豊かな自然環境が広がる大地である.亜寒帯(冷帯)の気候に属し,かつての氷期の影響を受け,生物相や地形などが本州と異なる.地理学や地質学,生態学にとっては非常に興味深いフィールドであり,これまで多くの…

東京科学散歩

都内の名所巡りに,ゆるい科学的な解説をくわえた本.よく知られた場所が選ばれていて,科学に興味のない人でもうんちく話として楽しめる. 1ヶ所,気になったのは,パワースポットを扱ったところで,ゼロ磁場に言及していること.そもそも「ゼロ磁場」その…

鈴木秀夫「森林の思考・砂漠の思考」

鈴木秀夫さんの著作で,良く読まれているものに,「森林の思考,砂漠の思考」がある.こちらは,学芸大の教職の授業で,期末の書評課題の一冊に指定した.数名の学生がこの本を選び書評を書いた.以下のリンクからたどれる. http://www4.atword.jp/2010tgup…

鈴木秀夫「風土の構造」

この本は,気候学の入門書となる地球の自然環境に関する内容と,我々の生活,文化としての風土を合わせて論じている.いまでこそ,自然科学と文化現象を合わせて論ずる本は散見されるが,初版がだされた1975年当時に,一人の研究者の論考としてまとめられて…

地学は何ができるか.

日本地質学会監修地学読本刊行小委員会編集「地学は何ができるか」愛智出版. 大学の教養教育での教科書を想定して書かれた本.はじめにに書いてあるが,現在,教科書として使える良い本が少ない.それではいけないということでこの本がつくられたようである…

これからの自費出版 虎の巻

近未来社は,自然災害や地球科学に関する本を専門に出している名古屋の出版社.そこを切り盛りしている深川さんが,これまでの経験を踏まえて,自費出版はどのように進めていけばよいか,一般の人向けに手順を追って説明されている.虎の巻の名前の通り,相…

目台

誠文堂新光社できほんシリーズというのがある.そのうちの一冊「地層のきほん」を担当した.それが,今月出版されるので,いくつかの書店のサイトに情報がでているのだが,名前が間違っている・・・・.

江戸・東京 歴史の散歩道

会社からの帰りに,桜新町で降りて,世田谷区立図書館に寄る.ここではだれでも図書を借りることができる.そこで郷土資料の本など借りる.世田谷〜渋谷の史跡ガイドでは,丁寧な取材がされていることがわかる以下の本が良かった. asin:4901317059 渋谷区・…

ふるさとの川 城原川

「風景のなかの環境哲学」を読んでいると,城原川のことが書かれていた.ここでは,古くから,野越し(越流堤)や草堰とよばれるこの地域特有の伝統的な治水が行われてた場所である.現在,ここで,九州地方整備局による城原川ダムの計画が進められている.…

身近な環境を調べる増補版

初版は2002年出版.古くなった内容を改め,新たに項目を増やして出版.「低地を調べる」の項を執筆. 身近な環境を調べる (東京学芸大学地理学会シリーズ)作者: 小泉武栄,原芳生出版社/メーカー: 古今書院発売日: 2009/11メディア: 単行本 クリック: 2回この…

地形学の教科書

地球科学の分野では,2000年以降,何冊も教科書が出されている.入門書としては,酒井治孝「地球学入門」東海大出版会.地質学全体を包括したものでは,平朝彦(2001-2007)「地質学1-3」岩波書店.個別のテーマでは,高橋正樹(2000)「島弧・マグマ・テク…

助成という仕事

世の中,いろいろな本があるのだと改めて感心.読んでみてプログラムオフィサーがどのようなものか,だいたい理解した. 助成という仕事長岡 智子

ツシマヤマネコの百科

現地でお会いした山村さんが書かれたツシマヤマネコの本.ツシマヤマネコに留まらず,対馬の自然,文化についても言及. ツシマヤマネコの百科 (動物百科)

シカ

山と田畑をシカから守る―おもしろ生態とかしこい防ぎ方井上 雅央農山漁村文化協会 2006-03by G-Tools 農林業に対しての被害をどう防ぐかについて書かれた本.著者は,実施に調査活動をし,地域住民の声も聞いている方で,自分でシカの被害を防ごうとするとき…

片野鴨池の保全

日本野鳥の会のIBAのblogで紹介されていた本.ラムサール条約登録湿地である片野鴨池での戦後の鳥類保護運動について描かれた本. http://iba-wbsj.seesaa.net/article/111707809.html

輝き再び石見銀山

rinさんのblogで紹介されていた石見銀山の本.世界遺産登録に係わる人々の動きが加筆されて改訂版となったらしい.早速注文.

里湖 モク採り物語―50年前の水面下の世界

平塚純一・山室真澄・石飛 裕 2006今から約50年前,農家人口率が約4〜5割だった頃,人々の暮らしは,地域の自然とともにあった.田畑近くの二次林は里山と呼ばれ,薪炭・木材や堆肥などを得る場として生活の基盤となっていた.一方,湖では,魚や貝が採取さ…

地震予知と社会

今週水曜日のたちかわ市民交流大学での講義の準備のため,地震予知に関して,資料など読む.以前買っていた「地震予知と社会」を読み直す.買ったときはそれほど感じなかったが,今読み返してみると,とてもおもしろい本.総研大のシンポジウムが元になって…

京都の百年

表紙は小川琢治のレリーフの写真.小川琢治は,一般には湯川秀樹の父として有名だが,地理学の世界では京大地理学教室の初代教授として有名である.小川琢治が京大で働くことになり,東京から京都に越すことになるのだが,この一家が京都に越すことがなけれ…

ネットワーク

サイエンスアゴラでの研究者クロストークというイベントに出て頂いた増田直紀さんから本をいただく. 「複雑ネットワーク」とは何か―複雑な関係を読み解く新しいアプローチ (ブルーバックス)増田 直紀講談社 2006-02by G-Tools 私たちはどうつながっているの…

ヤイロチョウ

帰りに神保町に立ち寄る.鳥海にて買い物.ヤイロチョウは,渡り鳥で名前の通り,八色の鳥である.著者は,現在,四万十川中流域の森でヤイロチョウ保護のため,ナショナルトラスト活動を進めている人である. ヤイロチョウ―深い森でくらす妖精 (地球ふしぎ…

ますむらひろし版のグスコーブドリの伝記

ネコとして描かれたブドリは,新鮮でかつ,宮沢賢治の世界に非常によくマッチしている.ますむら・ひろし宮沢賢治選集 1 (1) (MFコミックス)ますむら ひろし メディアファクトリー 2008-09-22by G-Tools

宮崎哲弥

放談の王道呉 智英時事通信社 1999-12by G-Tools半分ぐらいは宮崎哲弥の仏教的なもののみかたについて. 面白かったのは,オカルト思想についてのくだり.p.122「近代産業主義と近代的なオカルト思想が,同じコインの裏表の関係になっている」

岩石・化石

古本屋で購入.地形の説明はいまいち.たとえば三角州の説明は,「川が,相次ぐ堆積物を落とすので,三角州は,以前の堆積物の外に作られる」.滝は,「滝は一本の川の長いプロフィールで急激な中断である.」.わからなくはないが,そのものを知らない人は…

エコソフィア

エコミュージアム特集号.古本屋で購入.山下弘文「諫早湾にみえてきたエコミュージアムのかたち」/安渓遊地「屋久島オープンフィールド博物館の夢」/遊磨正秀「ホタルダス調査と琵琶湖博物館」/鎌田陽司「国際協力で生まれたムスタン・エコミュージアム…

東京の公園と原地形

造園学を専門とした研究者の目で見た,東京の公園の立地環境を解説した本.各地の谷戸という場所が,公園にうまく利用されているのがわかる.利用というよりは,私の公園感(池,斜面,低地,植生の配列パターン)が谷戸の作り出す景観そのものだということ…

プレートテクトニクスの受容

発売直後に,新刊で買って,一気に読んだ.こんな本,何年ぶりだろうか. プレートテクトニクスがどのように日本で受け入れられてきたのか,地球物理学者と地質学者の対応が大きく異なったのはなぜか,プレートテクトニクスに対して,地団研や東大・京大の研…

地層観察本

地質標本館での最後の仕事.図鑑とは言っているが,日本に分布する岩石を網羅しているわけではない.特徴的な地層について,写真とともにそのできかたなどを解説. 地層の見方がわかるフィールド図鑑―地層を見に行こう地形や鉱物を調べよう青木正博・目代邦康

国分寺

日本各地の特に国分寺保全に関わって来られた著者の経験をまとめたもの.東京都の国分寺に関しては,昭和39年の東京都国分寺市の国分尼寺無断宅地分譲事件から,市の文化財に対する無理解や軽視,当時の行政の不祥事などが,綴られている.石碑そのものにも…

地下水

地下水の世界 (NHKブックス)作者: 榧根勇出版社/メーカー: 日本放送出版協会発売日: 1992/10メディア: 単行本 クリック: 2回この商品を含むブログ (3件) を見る 著者によれば,専門書はたくさん書いてきたが,一般向けの本は初めてとのこと.一般向けなので…