伊那シカシンポジウム

ニホンジカ被害対策合同シンポジウム」に出張.南アルプス食害対策協議会の活動報告を市民向けに公開して行ったシンポジウムである.今回は,基調講演のほか,霧ヶ峰と八ヶ岳のシカ対策の担当者も講演をし,それぞれの地域でどのような対策が行われているか情報交換が行われた.
柵設置当初より,信州大学が,柵内外での植生変化,土砂流出の変化などについて,継続的に調査を行っている.特に,今回の報告でマルバダケブキの葉の除去によって,植生回復に影響があることがデータとして示された.土壌流出については,柵の設置により変化があることは認められたが,実態解明とまでは至っていない様子.昆虫の調査結果からは,シカの過食圧により,チョウの食草となる植物が消滅あるいは,繁茂(毒草の場合)するため,チョウの生態に影響を与えることが指摘されたが,定量的な分析はまだ行われていない.
八ヶ岳では,麦草ヒュッテのヤナギラン,黒百合平のクロユリ,横岳のコマクサなどが,大きく被害を受け,それへの対策が高じられている.特に林床のササが繁茂している所では,シカの樹木の剥皮被害が大きいとの事である.
霧ヶ峰では,現在,八島湿原を囲うように,鋼鉄製のネットを設置している途中である(本年度中に半分設置.来年度完成).景観に配慮し目立たない色にしてある.