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白岩さん講演会

東京地学協会の秋季講演会で,北大の白岩孝行さんのお話し.タイトルは,「魚附林の地球環境学:溶存鉄を介した陸海物質・生態系連環」.地球研でのプロジェクトで進められたアムール川−オホーツク海−親潮域を結ぶ物質循環について,陸域の森林を巨大魚附林と位置づけ,海洋や陸域の自然科学的な観測結果とその地域の土地利用の分析まで含めて,スケールの大きな研究としてまとめられている.総合研究ということばは,よく使われるが,こういったものこそ,総合研究と呼ばれるべきものであろう.その研究活動のなかから,国際的な学術共同研究のすすめかたについての議論が生まれている.これは現在進行形のものである.そういったメタ科学の部分まで,聞けて大変刺激的な内容であった.このプロジェクトの内容は,「魚附林の地球環境学」という本にまとめられている.大変読みやすい本で,その文章と,ところどころに挟み込まれている観測,調査風景の写真によって,研究を追体験できるような構成になっている.多くの人におすすめしたい.
これほど面白い話しを聞きに来た人がそれほど多くなく,なんとももったいないと思う.私自身が東京地学協会の行事委員なので,情報発信に問題があると反省.

魚附林の地球環境学―親潮・オホーツク海を育むアムール川 (地球研叢書)
白岩 孝行
4812211182