トイレ問題

虎ノ門で「山のトイレ」問題の全国集会.参加者は約150名ぐらいか?立ち見もいた.
2010年6月9日の環境省の行政事業レビュー(事業仕分けの省庁版)で,「山岳環境と浄化・安全対策緊急事業費補助事業(山のトイレの補助事業)」に廃止の判定が出された.これをうけて,山岳団体自然保護関係者が,環境副大臣と面会し,事業復活に向けて検討をお願いし,多くの国民の声が挙がらないと一度決定されたものをひっくり返すのは困難だとコメントをもらい,全国集会を開くに至った.というのがこれまでの経緯.
行政事業レビューにおける有識者のコメントでは,受益者負担,汚染者負担の原則などの意見が出され,廃止の判断がなされた.事業は10年間で14億円使い,100ヶ所のトイレを整備してきたものである.これに対し,山小屋関係者からは,現在もチップをとっているが,それでは年間の維持費の7−8割にしかならないこと,そもそも山小屋のトイレは,公共的の高いものであり,国の助成なしでは維持出来ないものであること,山小屋に委託して管理させることによって非常に安く管理されていることなどの主張,反論がなされている.山小屋関係者からは,今後,この事業は廃止ではなく,より新たな枠組みで規模を大きくして日本全国のトイレの整備を行い,安全で清潔な登山が行えるようにするべきだという意見が出されている.
山のトイレの改善は,山小屋の収益を直接伸ばすものではないので,山小屋が積極的にトイレの整備をすすめることは,あまり考えられない.しかし,山小屋の経営者が,水源の汚染を防ぎ,よりよい環境で山に来てもらうことを考え,それなりの負担をして改善されてきたものである.このような性質のものであるため,受益者負担という考えはなじまないだろう.受益者負担の考えですすめるのであれば,国は公園管理者として,入山料の議論をしていくことが必要になるであろう.
本来的には,小屋の経営とは別に自然公園の管理の一貫として,都市公園のトイレを整備するのと同様に,国がトイレの整備をすすめてもおかしくない.助成金のカットは山小屋にだけ負担を強いる形になるので,トイレ問題の改善は進まないと思われる.
今回の集会への参加者は高齢者が多く,会場からも若い人の関心をもっと引かなければならないという意見が出ていた.問題そのものが広く認識されていないので,うまくPRしていくことが必要であろう.