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ゲストとホスト

サイエンスカフェのゲストスピーカーという表現について書いた記事に対して,コメントをもらい,改めてゲストとホストについて考えてみた.
ゲストは客,もしくはゲストメンバー(臨時出席者)である.前者に対しての対義語は,主人,主催者,ホストとなり,後者は,レギュラーである.このような関係性を考えたとき,人々が集まってある話題について語り合うとき,どのような立場の人が,それぞれのカテゴリーに入るのであろうか.ある情報を持っている人が,持っていない人に対して,その事を伝えたいと思ったとき,情報を持っている側が主催者(ホスト)で,持っていない側が客(ゲスト)だろう.ホストから,情報でゲストがもてなされるのである.その情報を科学に限定してみると,従来から行われている講演会などは,このゲスト−ホストの関係性が当てはまる.登壇して話をする専門家がホストで,聴衆はゲストである.ゲスト,ホストという言葉は,このような関係性を含意しているものである.
講演会などのゲスト−ホストの関係性が,科学に関してのコミュニケーションを阻害しているということで,サイエンスカフェのような形での集まりが注目されるようになった.サイエンスカフェの場で,それまであまり,日本で使われることのなかったファシリテーターという役割の必要性が注目されたのも,ゲスト−ホストの関係性ではなく,フラットな関係性をつくる場でありたいという考えからであろう.科学に関する情報そのものは,講演会であろうとサイエンスカフェであろうと違いはない.サイエンスカフェの実践が,サイエンスコミュニケーションの問題としてよく議論されるのは,そこでどのような関係性が成立するかということに多くの人が感心を持っているからだろう.
ゲスト−ホストの関係性を持ち込まないためには,まずは,ゲスト,ホストの呼び方を辞めた方が良いのではないか.たかが呼び方かもしれないが,その企画をした人が,それぞれの人にどのように振る舞うべきか,指示を出してしまっているように思える.