地形学の教科書

地球科学の分野では,2000年以降,何冊も教科書が出されている.入門書としては,酒井治孝「地球学入門」東海大出版会.地質学全体を包括したものでは,平朝彦(2001-2007)「地質学1-3」岩波書店.個別のテーマでは,高橋正樹(2000)「島弧・マグマ・テクトニクス」東大出版会,唐戸俊一郎(2000)「レオロジーと地球科学」東大出版会,木村学(2002)「プレート収束帯のテクトニクス学」,巽好幸(2003)「安山岩と大陸の起源」東大出版会,などである.地球物理学的知見と地質学的知見が組み合わさって新しく知見が生まれ,その分野をリードする研究者によって教科書が書き換えられる.これらの書籍は,その分野の全体像を示してくれるので,その分野にいない人間にとっては大変ありがたいものである.また,分担執筆ではなく一人の著者によって書かれたものは,その人の基本的なものの考え方,自然の見方が通読すると見えてくる.そういった意味でも読者に様々な良い影響を与えるものである.
地球科学の一分野である地形学では,筑波大学の松倉公憲さんにより「山崩れ・地すべりの力学」筑波大学出版会(2008),「地形変化の科学」朝倉書店(2008)が発行された.これまで,風化やマスムーブメント,侵食といったの地形形成のメカニズムに関しての日本語で書かれた教科書は,大変少なかった.このような書籍が出されたことはこの分野にとって大きな前進である.このような書籍は,これからの研究者を育成と,関連分野の研究者に対しての存在感のアピールになる.
山崩れ・地すべりの力学―地形プロセス学入門
4904074076

地形変化の科学―風化と侵食
4254160526