調べて書くということ

非常勤先の大学の講義で,「ある事柄について自分で調べて書く」ということを課題として出した.ある事柄とは,私が提示した学術用語,研究者の名前などである.他人と重複しないように,二百数十のキーワードの中から,各自,興味を持てそうなものということで選ばせた.ウェブや本をただ書き写したものは評価の対象外だと述べたのだが,多くの学生が,コピーアンドペーストのものを提出してきた.また,それほど少なくない数の学生が,調べることができなかった.自分で調べてデータを持っているわけではないので,引用しながら文章を書くことになるのだが,引用の仕方が分からない学生もいた.予想以上の悪さであった.
自分で考えて書くということが,これまでの教育で実質的に求められたことがない上に,それを書くポテンシャルもないようである.原典に当たり,引用を適切にしながら自分で考えて文章を書くということに価値があるということが理解されていないとも感じた.教科書に書いてあることは間違いはないので,自分の書いた稚拙な文章よりも,書き写したものの方が良いと考えているのではないか.このような問題は大学教育の場で古くから言われていることだと思うが,現代の学生は,インターネット普及以前の学生と行動様式がずいぶん違うようである.