自然地理学概論書評

地理学評論2008年7月号に吉野正敏さんによる,朝倉書店地理学基礎シリーズの書評が掲載される.「自然地理学概論」に関しては,まず,章数の配置のおかしさに対して意見を述べられている.なぜ,あのような構成になるのか,従来の自然地理学の体系を考えれば,「奇異」と感じるのは普通の感覚である.そこに合理性があるのであれば,その背景や世界観は本のなかで語られるべきであろう.また,「教科書としては,現状を将来こうあるべきという姿を見極めて編集すべきであろう」と指摘されている.逆説的に読めば,この教科書では将来像が描けていということである.教科書としての肝の部分であり,そこの「薄さ」が指摘されているのだと思う.
地形学の問題としては,地球外の星の表面形態の解析について述べられている.「地形学者は地球だけに閉じこもる時代ではない」という指摘も重要である.前述の「将来こうあるべき」の議論が足りないのだと思う.
自然地理学概論 (地理学基礎シリーズ 2)
高橋 日出男 小泉 武栄
4254168179