kmokudaiの読書日記と雑録

もともと読書日記としてはじめたので読書日記に戻します.あと,ちょっとした思いつきなど.研究っぽい話しは,https://researchmap.jp/kmokudai/研究ブログ/に書いてます

諫早湾での訴訟

これまで,堤防閉めきりによる環境変化と漁業被害の因果関係については,佐賀地裁は認めたものの,福岡高裁,公害等調査委員会は,その一部しか認めていない.しかし,因果関係が否定された訳ではないので,高裁は農水省に対して今後の調査を要望している.調査をするとなれば開門しなければならないが,農水省は堤防の構造の問題や開門による環境影響などを理由に開門をしていない.しかし,最近の研究では,開門の方法によっては,農水省が問題としていることをクリアーできることが,モデル計算でわかっている.今後の裁判で,農水省が積極的に開門しない理由を説明できるのだろうか.

読売新聞の九州,佐賀版より
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/saga/news/20080430-OYT8T00841.htm

「もう耐えられない」諫干新訴訟 太良、諫早の41人

 国営諫早湾干拓事業を巡り、国に潮受け堤防の常時開門などを求める新たな訴訟が30日、長崎地裁に起こされた。原告は諫早湾内の小長井町漁協(長崎県諫早市)の9人と、同湾入り口近くに位置する県有明海漁協大浦支所(太良町)の32人。「現場」に最も近い漁民たちだが、漁業補償や補助金などを受けていたこともあり、堤防完成から11年にわたって沈黙してきた。しかし、「もう耐えられない」と声を挙げた。
 大浦地区では昨年12月ごろ、養殖アサリが半分以上死滅。20年前に仕掛けを1回入れると300匹取れたカニは今年、7匹前後に減り、漁業者はタマネギ掘りの出稼ぎをしている。原告副団長の平方宣清さん(55)(太良町)は「このままでは夏を持たずに漁業を離れる人が出る」と焦燥感を募らせている。
 昨年秋で干拓事業が終了。小長井地区では、これまで優先的に、国の行う水質調査に船を出すなどしてきたが、これもなくなった。原告団長の松永秀則さん(54)(諫早市)は「漁業の不振に加え、“あめ玉”も終わった」と話す。
 ただ、原告の数は両漁協の総組合員の1割にとどまる。「国に逆らうと仕事をもらえなくなる」との不安が広がったためという。
 この日、横断幕を掲げて地裁に入った原告らは、提訴後、長崎市内で記者会見し、「本当は訴訟に参加したいと思っている組合員は多い。彼らのためにも、裁判で頑張りたい」と力を込めた。(本部洋介)
(2008年5月1日 読売新聞)

http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/national/20080501-OYS1T00187.htm

「漁業不振は諫早干拓が原因」賠償など求め漁業者が国を提訴

 長崎県の国営諫早湾干拓事業を巡り、有明海の漁業不振は同事業が原因として、同県諫早市と佐賀県太良町の漁業者41人が30日、国を相手取り、潮受け堤防の常時開門や総額約2億4800万円の損害賠償などを求める訴訟を長崎地裁に起こした。同事業を巡る訴訟で諫早湾内の漁業者が原告となるのは初めて。

 訴えたのは、諫早市小長井町漁協の9人と佐賀県有明海漁協大浦支所の32人。

 訴状によると、1989年の事業着工後、湾内ではタイラギの漁獲量が激減、小長井町漁協で今季まで15年連続休漁しているほか、昨年8月には養殖アサリが大量死するなど「堤防により湾内の潮流が遅くなり赤潮が頻発するようになった」などと主張。漁業補償の想定を上回る漁業被害が出ているとしている。

 同事業は昨年11月に完工し、今年4月から営農を始めている。現在、有明海沿岸4県の漁業者ら約2500人が潮受け堤防の撤去などを求めた訴訟が佐賀地裁で係争中。

 九州農政局(熊本市)は「訴状が届いていないため、コメントは控えたい」としている。
(2008年5月1日 読売新聞)

長崎新聞
http://s02.megalodon.jp/2008-0501-1138-48/www.nagasaki-np.co.jp/kiji2/2008043003.shtml
http://s03.megalodon.jp/2008-0501-1135-02/www.nagasaki-np.co.jp/kiji/20080501/04.shtml

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