地震の研究

SciComのメルマガで紹介されていた「新潟ー神戸ひずみ集中帯」に関する記事.

日本経済新聞 春秋 2007年7月18日
日経の記事は,全般的に研究に対してネガティブな立場で書かれている.しかし,記事の内容を読む限り,もとのデータなどをよく読んでいないように思われる.

12年前の阪神大震災の時には、そんな話は聞かなかった。

おそらく初出は,多田尭・鷺谷威・小田切聡子(1999)新潟-神戸地震帯(応力集中帯)の提唱.日本地震学会講演予稿集.であろう.確かに,12年前にはそんな話はなかった.

12年の間に、地震科学も防災政策も、どれほど進歩したのだろう。

と,いっているが,これが12年間の進歩である.

一般に公開されているデータベースからでも,この文献に当たることはできる.また推本がだしている広報誌にも記事が書かれている.調べようと思えば,調べられる内容である.

3年前の新潟県中越地震の時も、ほとんど話題にはならず、ことし3月の能登半島地震の時も集中帯という言葉はそう使われなかったと記憶している。今回の中越沖地震で、帯の両端がぴたりとそろったので、学界から世間にお披露目されたのだろうか。

国土地理院の鷺谷さんらの研究成果である.以前から指摘されていた内容である.
新潟の中越地震と阪神大震災はつながっていた?[絵文録ことのは]2004/10/24
地震のような社会的に重要な研究課題に対して,記者がほとんど勉強していないことがわかる.

集中帯は直下型に要注意なんていう指摘は、地球儀の日本列島を指して、地震列島などというのと、さして違わない。

この指摘は,よくわからない.「さして(?)」違わなくないのだが.何をいいたいのかよくわからない.
全体的に,印象で書かれた記事だと思うあり,このような記事が出ることは,大変残念である.

これにつられて,似たようなブログの記事が多数みつかる.そのなかで,以下のような文章があった.公人の文章としては問題があるだろう.出典を明記していないし,引用という形をとっていない.日経の記事とそっくりである.
菊池氏のblog

新聞を見ていたら『神戸−新潟ひずみ集中帯』という見馴れない表現が載っている。日本列島の下でプレート(地殻を構成する岩板)が押し合いへし合いして、そのひずみが神戸から福井や石川を経て新潟にいたる帯状の地域にたまっているという。人工衛星からの観測で見つかったようだ。
 しかし、12年前の阪神大震災の時には、そんな話は聞かなかった。そういえば3年前の同じ新潟県中越地震の時も、ほとんどそんな表現はなかったような気がする。集中帯は直下型に要注意とは学界での話である。地震発生の仕組みに踏み込んだ研究に大いに期待したい。

雨降って地固まる(2007年7月17日): きくち文博ブログ
http://megalodon.jp/?url=http://kikuchifumihiro.seesaa.net/article/48438646.html&date=20070723073043