調べる

古今書院から以下の2冊が届く

日本の諸地域を調べる (東京学芸大学地理学会シリーズ)

日本の諸地域を調べる (東京学芸大学地理学会シリーズ)


世界の国々を調べる (東京学芸大学地理学会シリーズ)

世界の国々を調べる (東京学芸大学地理学会シリーズ)

地理学的なテーマに関して,王道あるいは変化球的ないろいろな切り口の「調べ方」が出ていて,地理教員の教材研究に役立つだろう.しかし,なぜ調べなくてはいけないのだろうか.これら2冊の本の最初で,それぞれ日本を学ぶ意味,世界を学ぶ意味について述べられているが,とくにこのシリーズのテーマとなっている「調べる」ということについて,考察をしてほしかった.p.17で高橋さんが「調べるためには,最初に調べるべきテーマの設定が必要になるが,素朴な疑問や地図帳のこんな図を自分でも書いてみたいなどの気持ちを大切にして,まずは自分でグラフや分布図をつくってみたい」とある.地形学的なテーマでも似たようなとっかかりでいいのだと思うが,果たして人文地理学的なテーマでは,どういった入り口があるのだろうか.
設定されているテーマのほとんどが,旧来の地理学的な枠組みにおさまる伝統的なテーマである.第3巻p.32などで触れられている「世界遺産」のようなテーマ(その著者)に対しての切り口が,こういった書籍に求められているものだと思う.たとえば,調べるべきテーマとして,資源や災害というテーマはもっと掘り下げられたのではないだろうか.

以下,ざっと読んで気付いた点や誤植など.
p.8 右 l.16
「5万分の1地質図」→「5万分の1地質図幅」
「地域地質調査報告」→「地域地質研究報告」
p.16 左 l.12〜16
 扇状地の平均化された勾配を,小数点以下二桁の数字で示すことに意味があるのだろうか.有効数字をどう扱うかは,とても大事な問題であるのに,教育現場ではおざなりにされているのではないか.
p.16 左 図4 左上の縦断面図の地名が欠落
p.16 右 参考文献「野上道夫」→「野上道男」
p.26 右 降水量の単位がmmで,どのような意味があるのかということについて,言及すると良いのでは.
p.32〜33 world heritageの頭文字は小文字で,Sustainable Useの頭文字は大文字.この使いわけは?
p.60 「20世紀梨」→「二十世紀梨」?