研究者がサイエンスコミュニケーションをする理由

サイエンスコミュニケーションをなぜ行わなければならないのか,ということを研究者にもっと理解してもらう必要があるだろう.今のところ,やらなければならないから行うといった感じがあるのではないか.これだと一過性のものになってしまうだろう.研究者にとってどういったメリットがあるのか,インセンティブを考えなければならないと思う.ピアレビュー論文の作成というものが,現在の研究者の活動の主題である.しかし,「論文書き」である要素はふくまれるが,それ以上に研究者であることが必要である.情報の発信のチャネルを複数持ち,テーマ,興味の集中と発散を自律的に繰り返しながら,研究を行うスタイルがあると思う.従来,職場が変わったとか,あるプロジェクトに声がかかったので参加したとか,受動的なテーマや興味の変遷が起こることが多い.多くの場合,それが研究者にとっては新たな刺激となり,研究の質が高まることが多い.研究機関では,より戦略的に,集中発散を繰り返せるようなシステム作りをしても良いのではないかと思う.それが,継続的に質の高い研究活動を可能にすると思われる.論文作成を一方の端だとすれば,もう一方の端はサイエンスコミュニケーションではないだろうか.