耐震指針分科会

今月8日に耐震指針検討分科会が開かれ,そこで以下のようなやりとりがされていた.

原発耐震の新指針、了承を見送り 原子力安全委
2006年08月08日23時12分 朝日新聞

 原子力発電所の新しい耐震指針を検討している国の原子力安全委員会(鈴木篤之委員長)耐震指針検討分科会が8日、東京都内で開かれた。調査で見つかることが前提になっている活断層が、中国電力・島根原発の付近で見逃されていたことで議論が紛糾し、新指針案の正式了承を見送った。4月にまとめたばかりの指針案が修正される可能性も出ている。
 分科会で、原発の耐震性に問題があると主張している石橋克彦・神戸大教授は「島根の事例を重大に受け止め、指針案を全面的に見直すべきだ」。これに対し、衣笠善博・東京工大教授は「分科会で一度は合意した議論を蒸し返すもので、到底受け入れられない」と反論。会議の最後に安全委の鈴木委員長が「この際、できる範囲で合意を優先していただきたい」と述べた。
 もめた原因の活断層は、島根原発松江市)近くで5〜6月、中田高・広島工大教授らのグループが発掘したもの。航空写真の解析などから「活断層の疑いがある」と以前から指摘されていたが、中電は「詳しい調査をした結果、活断層ではない」と否定。中電の調査結果について原子力安全・保安院や原子力安全委員会も審査で「問題なし」としている。
 しかし、現場を見た産業技術総合研究所の杉山雄一・活断層研究センター長は「活断層にほぼ間違いない」。分科会主査代理の大竹政和・東北大名誉教授は「安全審査に加わった者として、自らの責任を含め、重く受け止めている」と話す。
 新指針案は、大きな地震を起こす活断層は事前調査で必ず見つけられるから、その活断層が起こすことが想定される地震の規模(マグニチュード)に応じて耐震強度を上げればいいという考え方に基づいている。中田教授らの発見で、その前提が崩れたことになる。
 今回の指針見直しで安全委は、指針案を公開し、一般から意見を募った。約700件の意見が集まり、活断層調査が万全でなくても安全なように直下地震の想定を引き上げるよう求める声もあった。

そして,8/20毎日新聞に,原発周辺の活断層は,地震調査研究推進本部(推本)より電力会社は過小評価しているという記事が掲載された.毎日新聞8月20日

8月28日に最終的な改定案がでたが,石橋克彦氏が耐震指針検討分科会を辞任.毎日新聞8月29日.

最新の検討分科会の速記録はまだ出ていないが,過去のものは,ここで読める.その中にある石橋氏の発言.

要するに4年10カ月に及ぶ審議の後でパブコメをいただいて、しかもパブコメ期間中に非常に著しい調査結果が出たと、だれが見ても疑いない調査結果が出て、従来の安全審査の誤りが指摘されたということから、我々5年間活断層の議論を大分してきましたけれども、結局わかってなかったんだなということがわかったということだと思います。この状況はあたかも世界一流のオーケストラの生演奏も録音盤も聴かずに、偏った解説だけを聞いて管弦楽がわかった気になっていたようなものだと、今ここにいる者全員がこういうことだと思います。