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筑波大陸域環境研究センター報告の第6号が届く.

目代邦康・塩澤暁子 (2005) 水理実験センター・陸域環境研究センター報告のWWWでの公開について.筑波大学陸域環境研究センター報告,6,89-91.PDF

同じ号に,実験観察会と巡検の報告も

目代邦康(2005)現地観察会「海水淳変動に伴う地形変化」報告.筑波大学陸域環境研究センター報告,6,105.

 池田 宏助教授と,小林洋二助教授の退職を記念して,2005 年3 月22 日から23 日まで房総半島をバスで廻る巡検を実施した.案内者は,前述の2 先生と,千葉県立中央博物館の岡崎浩子上席研究員である.参加者は30 名であった.筑波大学をバスで出発し,途中西千葉駅で千葉・東京在住の参加者と合流し,木更津の干潟に向かった.干潟の堆積物など観察したあと,下総台地の地層の観察を行った.そこから鹿野山,鋸山の丘陵地形を見て,嶺岡の地すべり地を観察した.そこから,宿泊先の天津小湊の東京大学科学の森教育研究センターに向かった.そこでは,夕食後日付が変わるまでセミナーが行われた.翌日は,小櫃川上流の平滑な岩盤河床を観察し,河川地形の発達過程について活発な議論が行われた.そこから海岸に出て,千葉大学の海洋生態系研究センターの周辺の磯を歩き,岩石海岸の地形の観察を行った.そこから,バスで,九十九里浜平野を横断し,その形成過程について議論した. 房総半島は広大で,今回の巡検では,観察ポイントが多岐に富んだため,それぞれの場所で十分な見学時間を取ることができなかった.しかし,この巡検の趣旨は,地形学,構造地質学,堆積学など地球科学の様々な分野の研究者が一同に会し,広く深く議論しようというものである.そういった意味では,房総半島の様々な地球科学的現象を取り上げたこのようなバスによる巡検形式は成功したといえるだろう.専門分野が異なる研究者とは,同じフィールドで調査を行っていても議論する機会は少ない.近接分野の研究者との新しい出会いを作るこのような巡検が,今後も企画されることを期待する.

目代邦康(2005)実験観察会「地形環境を見る目を実験で磨こう」報告.筑波大学陸域環境研究センター報告,6,104.

 池田 宏助教授が2005 年3 月をもって,筑波大学を退職するのを記念して,2005 年3 月4 日と5 日に標記の実験観察会が実施された.陸域環境研究センターの前身である水理実験センター創設以来,地形実験に取り組んでこられた成果を,延べ200 名の参加者に披露した.実施した実験は,①応力開放による節理の形成実験(トタン板を筒状にし,その中に岩粉をつめたのち,トタン板をはずし,岩粉塊への割れ目の入り方を見る),②崩壊による急斜面の形成実験(岩粉の山の一部をふもとからすくい取り,滑落崖をつくる),③循環型落石実験装置の見学,④ミーマ塚の形成実験,⑤富士山中腹に見られる斜め交錯模様の形成実験,⑥陥没カルデラの形成実験,⑦岩川(岩盤河川)における小滝に関する実験,⑧山川における,残留巨石の影響に関する実験(以上1 日目),⑨大型水路の見学,⑩循環式閉管路による混合効果の実験,⑪侵食河床と堆積河床に関する実験,⑫扇状地と三角州の違いに関する水路実験,三角州の分流に関する実験,⑬造波水槽を用いた,浅海底の縦断勾配に関する実験,⑭アイソスタシーに関する実験(以上2 日目)である.3 月4 日は,早朝より雪が降り,実施が危ぶまれたが,積雪をものともせず屋外にてそれぞれの実験は遂行された.昼食とティーブレイクが,すべてセンタースタッフにより準備された.そのため,この実験観察会に参加した,多数の日本各地の研究者や,水理実験センターOB,OG の交流が盛んに行われ,議論が活発になされた.