「科学技術に関する基本政策について」に対する答申(案)へのコメント

『「科学技術に関する基本政策について」に対する答申(案)』についてのご意見募集 - 総合科学技術会議 -
に対して,
エラー:So-netブログや,302 Foundで指摘されているように,あまりこの文章について,言及されているものを見かけない.自分で書いてみると,いろいろ思うところはあるのだが,どう書いていいのやら,と思った.しかし書いてみることで考えも深まるだろう.もう少し手直ししてパブリックコメントとして送ろうと思う.
しかし,1000字以内で,一人でいくつも書いてもいいのか?

 多くの国民にとって,日本の科学技術の発展も大事であるが,地域の問題の解決が重要である.資源を集約することによって進展が望める分野と,地域ごとに異なる問題を扱う分野とを分けて考える必要があると思われる.地域ごとの問題とは,地域スケールでの環境問題,自然災害の被害軽減,疲弊した地域社会の活性化などである.これらの問題を解決するに,答申でも,指摘されているように,「地域における大学は,地域にとって重要な知的・人的資源であり,地域全体の発展に一層寄与すべきである」(p.24 l.32)として,大学の働きに期待をしていることが伺える.しかし一方では,「大学における競争的環境の醸成や人材の流動性の向上等を一層推進する(p.24 l.12)」としている.大学の現状を考えると,これまで以上の競争環境におかれた場合,地域に対する貢献は,その必要性は理解されつつも,大学にとって重荷になりかねない.地域全体の発展に寄与するという目標は,どのようにすれば達成されるのか不透明である.評価されにくい事柄に対して,大学が積極的に取り組むとは思えない.大学に地域貢献を本当に求めるのであれば,現在の人員数では教育機関としての機能を果たすことでほぼ精一杯であるので,人員数の増加が必要であろう.
 大学以外では,地域に貢献できる機関は,現在のところ,国の公的研究機関や各地方自治体の公設試験研究機関があるが,この数が十分ではないと思われる.これらの機関のコーディネーター機能の強化がうたわれているが(p.30 l.20)地方分権をすすめていく上で,地域(地方自治体)に対してのシンクタンクとしての働きを持つ機関の重要性は,今後増していくと思われる.独立行政法人などの公的研究機関について機能を強化することは述べられているが(p.38 l.19),それだけでは不十分であると思われる.科学技術の問題だけでなく,政府が積極的に各地方(少なくとも各県)に研究機関の新設していくことが必要と考える.
 博士号学位取得者(ポスドク)が「社会の多様な場で,高度な知的基盤社会をリード(p.19 l.15)」していく場面少ないことが,現在問題になっているが,前述のような機関の設立は,ポスドクに活動の場を提供することになる.現在,独立行政法人に多くのポスドクが存在するが,大半の独立行政法人では,国研のときとそれほど体質が変わったわけではなく,産業界との接点は十分であるとはいえない.ポスドク人材の社会への供給という点ではそれほど機能的であるとはいえない.このような機関で,「研究開発型ベンチャー等の起業活動の振興(p.29 l.6)」を進めていけばよい.

http://d.hatena.ne.jp/kmokudai/20051123#p2